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アート・ヒストリー(AH)

レクチャー全14回
2017年5月〜2018年1月開講
土曜日10:00-12:00(一部例外あり)
現代アートとは何かについて、過去200年のアートの歩みをとおして考えます。
それは、アートが時代の社会状況とどう響き合っていたのかを捉えながら、少しずつ現代アートに近づくことにほかなりません。
アートについて教養を深めたい方、現代アートに関する基礎的な考え方を知りたい方、また自らの制作を客観的に把握したいアーティストなどにおすすめします。

スクールお申し込み方法

件名を「スクール申込」とし、申込種別番号、住所、氏名、年齢、電話番号をご記入の上、school@artto.jpまでメールをお送りください。FAXにてお申し込みをご希望の方は、お問い合わせください。受付後、お振込と受講に関するご案内をメールでお知らせいたします。原則として、お申し込み完了後の変更、キャンセルおよび返金は受け付けておりません。あらかじめご了承ください。

受講方法/受講料はこちらから

アートが先か、美術館が先か

2017年5月13日(土)10:00-12:00

講師: 小澤慶介

アートがあるから美術館があるのか、あるいはその逆で美術館があるからアートがあるのか。
17世紀の黎明期からはじまり、18世紀末に開いたルーヴル美術館を経て、20世紀前半に開いたニューヨーク近代美術館(MoMA)に至る美術館の歴史を眺めながら、私たちが「アート」あるいは「芸術」と呼んでいるものの姿について考えます。近代社会とアートの関係を探りはじめるこの回は、これからはじまる現代アートへの旅のオリエンテーションでもあります。

絵画の歩みと現代アートの規則

2017年5月27日(土)10:00-12:00

講師: 小澤慶介

「アートは、いつ現代アートになったのか」という問いを念頭に浮かべながら、それまでになかった革新的な絵画について見てゆきます。19世紀フランスのギュスターヴ・クールベやエドゥアール・マネなどは、今でこそ巨匠と見られていますが、当時はさまざまな議論を巻き起こしながら絵画をめぐる考えを刷新していたといってもいいでしょう。新しい絵画を提案することによって伝統を乗り越えてゆく、そうした自律的なアートの運動について考えます。

マルセル・デュシャンが変えた20世紀のアート

2017年6月10日(土)10:00-12:00

講師: 小澤慶介

20世紀から21世紀をとおして多くのアーティストたちへ影響を与えたマルセル・デュシャンの思考や行為、作品をとおして、現代アートを考えるときの重要な要素について話し合います。今から100年前に作られ、現存しないながらもいまだに議論される作品《泉》。なぜデュシャンはそれを「作り」、またそれによってアートのどのような性質を明るみに出したかったのでしょうか? デュシャンにつづくアーティストたちへの影響も踏まえながら考えます。

前衛芸術の大陸間移動

2017年6月24日(土)15:00-17:00

講師: 沢山遼

第一次世界大戦前後、前衛芸術がヨーロッパからアメリカに移った軌跡を眺めます。ヨーロッパでは、キュビスムやダダ、シュルレアリスムなどのあたらしい芸術運動が見られましたが、大陸間を移動した前衛芸術家たちや、伝説的展覧会「アーモリー・ショー」などを通じて、その流れはアメリカにも伝搬します。デュシャン、ピカビア、マン・レイらによるニューヨーク・ダダや、ジョージア・オキーフ、アーサー・ダヴらの活動を振り返り、ローカルとグローバルが交錯する新大陸における芸術運動について考えます。

彫刻からインスタレーションへ

2017年7月8日(土)10:00-12:00

講師: 小澤慶介

19世紀末から20世紀にかけて、彫刻作品はどのように変容したのか、またどのようにインスタレーションという表現形式が現れたのかについて考えます。ロダンからはじめ、ピカソやマティスを経て、インスタレーションへ。その間には、美術館を飛び出していったアース・ワークや公共の場で展開される作品がありました。そうした動きを追いながら、モノ自体から、モノと場、あるいは行為の関係へと議論が移っていった20世紀のアートの歩みを考察します。

写真が変えた、アートと世界の見え方

2017年7月22日(土)10:00-12:00

講師: 小澤慶介

1830年代に発明された写真術は、19世紀をとおして開発され、人間の世界の見方に影響を与えました。この複製技術の到来によって、私たちの認識はどのように変わったのか、また写真は世界の何を伝えるように(あるいは伝えないままに)なったのかを考えます。初期の頃の記録写真や19世紀末のパリとウジェーヌ・アッジェ、20世紀初頭のニューヨークとアルフレッド・スティーグリッツを経て、20世紀の写真とそれが表した世界像について眺めます。

映像文化と長い20世紀

2017年8月5日(土)10:00-12:00

講師: 小澤慶介

19世紀末にエジソンやリュミエール兄弟によって発明された映像の技術や制度が、私たちの世界の認識に与えた影響を考えます。20世紀前半に見られたマン・レイやラズロ・モホリ=ナギなどの実験的な映像、1960年代にナムジュン・パイクらによって生み出されたビデオ・アート、そして1990年代以降に一般的な作品形式になってきたビデオ・インスタレーションをとおして、20世紀がどのような時代であったのかを捉えます。

現代アート、伝説の展覧会

2017年9月9日(土)10:00-12:00

講師: 小澤慶介

時代や文化を超えて語り伝えられる展覧会を紹介します。展覧会は、同時代あるいは先立つ時代を表すことがあります。ハラルド・ゼーマンの「態度が形になるとき」展(1969年)やヤン・フートの「友達の部屋」展(1986年)、ハンス・ウルリッヒ・オブリストやホウハンルウの「Cities on The Move」展(1997年-)などを紹介しながら、20世紀後半のアートの足取りと社会状況の変化を眺めます。

アートが国境を越えるとき

2017年10月14日(土)10:00-12:00

講師: 近藤健一

お金と人とモノが比較的自由に国境を越えて行き来するようになった1990年代以降のアートについて考えます。
国境を越えて他国で紹介される時、アートは、自国の文化の何を伝えている(あるいは伝えていない)のでしょうか。現在でも話し合われるそうしたアートの姿を、今年森美術館で開催される「サンシャワー:東南アジアの現代美術展 1980年代から現在まで」展をとおして眺めます。

グローバリゼーションと多文化主義

2017年10月28日(土)10:00-12:00

講師: 小澤慶介

東西冷戦以降、1990年代に加速したグローバリゼーションとアートの関係について、多文化主義をキーワードに眺めます。1989年のジャン=ユベール・マルタンによる「大地の魔術師たち」展や1997年のホウハンルウによる「Parisiennne(s)」、また2002年のオクウィ・エンヴェゾーによるドクメンタ11などを参照しながら、増加する国際展やそこで議論にのぼるポスト・コロニアル(植民地主義以降)における表象の課題あるいは可能性について考えます。

アートと資本主義の交点をさぐれ

2017年11月11日(土)10:00-12:00

講師: 小澤慶介

全世界に手足を広げている新自由主義という資本主義のあり方とアートの関係について眺めます。現代アートを成り立たせている基盤を掘り下げてゆくと、新自由主義という経済の固い岩盤にぶつかります。今のアートは、そうした無視することのできない経済のあり方と、どのような関係を結んでいるのでしょうか。ヴェネチア・ビエンナーレやマニフェスタなどの国際展、タリン・サイモンやガルフ・レイバー・アーティスト・コアリションなどの活動をとおして考えます。

生とアートとキュレーション

2017年12月2日(土)10:00-12:00

講師: 保坂健二朗

生き生きとした人の生を展覧会という発表形式ではどのように表すことができるかについて考えます。それは、ある意味、生きているものを展示することができないという美術館のあり方との闘いといってもいいかもしれません。それでもなお、人が生きている上で見出したアート(技芸)の鮮度を損なわずに提示できるとしたら。「声ノマ 全身詩人、吉増剛造展」展などをとおしてその可能性について話し合います。

戦後日本の社会構造と今の芸術祭ブーム

2017年12月9日(土)10:00-12:00

講師: 小澤慶介

近年、なぜ芸術祭が全国各地で開かれるようになったのかについて考えます。そのため、アートの実践からではなく、戦後の日本社会および産業構造の変化から眺めてみます。そうした時代の先に、ヨコハマトリエンナーレや札幌国際芸術祭、大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレなどがあるわけですが、もしかしたらそれは、経済や産業、人口や富の配分などを含めた日本の社会構造に組み込まれているのかもしれません。

拡張するアートを考える

2018年1月20日(土)10:00-12:00

講師: 小澤慶介

アートは、産業構造の転換に呼応したり、新しい素材やメディアを取り入れたり、また刻々と変わる社会状況へ応答したりしながら、その姿を変えてきました。では、今、それは、福祉や教育、都市計画などの領域へと広がりながらどのようなものになりつつあるのでしょうか。2020年の東京オリンピック「まで」と「あと」に心を配りながら、同時代あるいは来るべき時代を表すアートについて考えます。